ちいかわワールドが単なる「ほのぼの漫画」で終わらない最大の要因は、資本主義と自然界の厳しさが容赦なく描かれている点にある。ちいかわたちは、日銭を稼ぐために「危険なモンスターの討伐」や「草むしり」といった労働に従事しなければならない。
特に語り草となっているのが「草むしり検定」のエピソードだ。勉強家のハチワレが合格する一方で、努力を重ねたはずのちいかわが不合格になるという残酷な格差。合格したハチワレが親友を気遣い、喜びを抑えきれずに葛藤する心理描写は、児童向けアニメの域を遥かに超えている。
突如として現れる怪物に脅かされ、時には命の危険に晒される。この死と隣り合わせの緊張感があるからこそ、彼らが手にするホットケーキやラーメンといった日常のささやかな幸せが、宝石のように輝くのだ。