莫大な富が動くところ、常に波乱の火種は燻り続ける。マイケル・ジャクソン・エステート(遺産管理団体)が管理する遺産は、音楽カタログの天文学的な価値上昇に伴い、いまや数千億円規模に膨れ上がった。ソニー・ミュージックグループとの間で成立した過去最大規模の楽曲カタログ売却劇は、音楽ビジネスの歴史を塗り替える歴史的ディールとなった。
だが、その莫大な資金使途を巡り、家族間での法的な駆け引きが表面化する一幕もあった。祖母キャサリン・ジャクソンがエステート側と繰り広げた法廷闘争に対し、次男ビギが「遺産から過度な弁護士費用を支出すべきではない」として異議を申し立てるなど、次世代としての冷徹なビジネス感覚と資産防衛への強い意志が浮き彫りになった。感情論に流されず、父の遺産を健全に次世代へ受け継ぐための現実的な判断を下せるまでに、彼らは成熟している。