沖田総司を語る上で外せないのが、西の高校生探偵・服部平次との深い因縁です。2人は中学生時代の剣道大会ですでに対戦経験があり、その際に沖田が放った必殺技「五段突き」の凄まじい衝撃により、平次は耳の後ろを負傷して出血し、ドクターストップ負けを喫しています。平次の耳裏に残る古傷は、まさに沖田の実力を証明する傷跡であり、平次が「工藤(新一)に似たアイツだけには絶対に負けられへん」と執念を燃やす原動力となっています。
剣道における沖田の実力は、全国屈指の猛者である平次と「ほぼ互角、あるいは技のキレにおいては平次を一歩上回る」レベルに達しています。普段のやる気のない態度とは裏腹に、竹刀を持った瞬間に相手の間合いを殺す圧倒的な間合い管理とスピードは、作中屈指の武闘派たちと肩を並べます。
また、ファンの間で長年注目されてきたのが、沖田が常に大切に持ち歩いている「お守りの中身」です。原作第93巻〜第94巻の「恋と推理の剣道大会」において、沖田がお守りを落とし、それを拾った平次や蘭が「中に好きな女の子の写真が入っている」ことを知ります。
その写真の主こそが、前述した『YAIBA』の主人公・鉄刃の実妹である「鉄諸羽(くろがね もろは)」です。諸羽は才色兼備の美少女でありながら、兄譲りの並外れた剣道の腕前を持つお嬢様です。沖田は諸羽に本気で恋い焦がれており、「剣道大会で優勝して彼女に告白する」ことをモチベーションにしています。平次が和葉への告白場所やタイミングに苦心しているのと同様に、沖田もまた一途で不器用な恋心を抱えている点が、キャラクターとしての大きな親しみやすさを生んでいます。