街の店が苦境に喘ぐ中、銀座と原宿という一等地で驚異的な集客力を誇示しているのが「博品館トイパーク銀座本店」と「キデイランド原宿店」です。現場を訪れると、そこには旧来のおもちゃ屋のイメージを覆す光景が広がっています。
銀座8丁目のランドマークである博品館トイパークでは、平日・休日を問わず店頭から多言語の会話が聞こえてきます。4階にある名物の全長約36メートルのスロットカーサーキット「博品館RACING PARK」では、走行を見守る親子連れや外国人旅行者の歓声が響きます。SNS上の口コミ評判を分析しても、「ただ商品が並んでいるだけでなく、マジックの実演や木製玩具の温もりに直接触れられる」「3世代で訪れても全員が夢中になれる」といった情緒的価値を称賛する投稿が8割以上を占めています。
一方、原宿・表参道に位置するキデイランドは、「ちいかわ」「ポケモン」「サンリオ」「スタジオジブリ」など、世界を席巻する日本のキャラクターコンテンツの集積地です。フロアごとに専門ショップが緻密にゾーニングされ、限定ノベルティや先行販売グッズが投入される発売日には、早朝から事前抽選制の待機列が形成されるほどです。
ここで買い物を楽しむ層の過半数は、子供ではなく「大人の女性」と「インバウンド客」です。かつて子供の専売特許だった玩具店は、自己表現や推し活、精神的な癒やしを提供するライフスタイル空間へと完全に昇華しています。