ナポリスタカを語る上で絶対に外せないのが、訪れる客の実に8割以上が注文するシグネチャーメニュー、星型ピッツァ「ドン・サルヴォ(Don Salvo)」です。テーブルに運ばれた瞬間、歓声が上がる八角形の星型フォルムは、SNS映えという言葉が定着する遥か以前から、確固たるクラフトマンシップによって焼き上げられてきました。
多くの創作ピッツァが「見た目倒し」で終わる中、ドン・サルヴォが絶賛され続ける理由は、計算し尽くされた味のグラデーションにあります。中央部分は、上質な水牛モッツァレラチーズ、フレッシュなチェリートマト、バジルをあしらった王道のマルゲリータ。みずみずしい酸味とジューシーなミルクのコクが口いっぱいに広がります。
そして最大の見せ場が、星の角(とがった耳の部分)です。折り畳まれた生地の内部には、ミルキーなリコッタチーズとスパイシーなナポリサラミがぎっしりと包み込まれています。通常のピッツァでは残されがちなコルニチョーネ(縁)が、ここでは最も濃厚で贅沢な「カルツォーネ(包み焼き)」へと変貌を遂げるのです。薪窯の高温(約450〜480度)で一気に焼き上げられた生地は、外側がサクッと香ばしく、内側は驚くほど軽やかでモチモチとしており、重さを一切感じさせません。