昭和から平成にかけて、新幹線のグリーン車は彼の「食堂」だった。東京・名古屋間を移動するわずかな時間に、カバンから次々と取り出される白い球体。同乗した芸能人やスポーツ選手たちが一様に驚愕したのは、その尋常ではない消費スピードだ。板東氏は、新幹線に乗る前に必ず売店で大量のゆで卵と塩を買い込んでいたという。
「とにかく剥いては食う、その繰り返しだった」。当時を知るテレビ関係者はそう証言する。殻を剥く手つきは職人のように素早く、口に放り込む姿には一切の迷いがなかった。ある時は1回の移動で9個を完食したというエピソードもあり、同行者を唖然とさせた。この徹底したルーティンこそが、彼のキャラクターを決定づける強烈なアイコンとなったのである。