この楽曲の構造的な魅力は、ミニマリズム(削ぎ落としの美学)にあります。冒頭から楽曲全体を牽引する印象的なピアノフレーズは、マイク・シノダ ピアノ ギターのマルチな才能が遺憾なく発揮された好例です。
どこか映画『ハロウィン』のテーマを想起させる不穏で哀愁ある単音のピアノリフは、わずか数音のループでありながら、一度聴いたら耳から離れない強いフックを持っています。そこにロブ・ボードンの力強いビートとフェニックスのベースが加わり、ブラッド・デルソンのギターが重なって劇的なクレッシェンドを生み出します。
【コード進行と演奏の特徴】
What I've Done ギターTAB譜 コード進行の基本骨格は、ロックの王道である「Dm - F - C - G(またはGm)」のマイナー進行で構成されています。ドロップDチューニングを用いずとも演奏可能なレギュラーチューニングであり、コード進行自体は極めてシンプルです。
特筆すべきは間奏のギターソロです。速弾きや過剰なエフェクトに頼ることなく、チェスターのボーカルメロディに寄り添うようなエモーショナルなチョーキングとロングトーンで構成されており、「ギタリストのエゴではなく楽曲の感情表現を最優先する」というバンドの一貫した哲学が具現化されています。
そして何より、チェスター・ベニントン 歌唱力の真骨頂がこの楽曲に宿っています。Aメロの静かで切ない語り口から、サビでの突き抜けるようなハイトーンのクリーンボイス、そして終盤の魂を削るようなロングスクリームまで、1曲の中で見せるダイナミクスレンジの広さは、他の追随を許さない圧倒的な存在感を放っています。