物語の発端は、岸辺露伴が漫画の取材で訪れたイタリア・ヴェネツィアの教会です。露伴は現地の構造への好奇心から、信者が罪を告白する側ではなく、誤って神父が座る側の仕切り部屋に入り込んでしまいます。そこへ一人の男が訪れ、神父がいると思い込んだまま、自らが背負った恐ろしい罪の記憶を語り始めます。
若い頃、極貧の生活を送っていたその男は、建設現場で働いていた際、飢えに苦しむ浮浪者の老人から「何か食い物を恵んでくれ」と懇願されました。しかし男は慈悲を与えるどころか、「食料のトウモロコシの袋を背負い続けられたら分けてやる」と嘲笑し、炎天下で過酷な労働を強要します。結果として老人は力尽きて衰弱死しますが、その臨終の際、男に向かって戦慄の言葉を残しました。
「お前が人生で最も幸福を感じ、絶頂を迎えた瞬間に迎えに来る」――。
その後、男は運命に恵まれて巨万の富を築き、理想的な妻と愛らしい娘を授かります。社会的成功の頂点に立ち、まさに「今が人生最高の幸福だ」と実感したその瞬間、死んだはずの老人の怨霊が我が子の体を借りて出現しました。怨霊が男に突きつけたのは、逃れようのない死の試練でした。
その試練こそが、ネット上でも語り継がれる「ポップコーンの試練」です。広場の街灯よりも高く放り投げたポップコーンを、地面に落とすことなく口だけで3回連続キャッチできれば見逃す、失敗すればその場で首を刎ねるという理不尽なゲームでした。1回目、2回目と奇跡的に成功させた男でしたが、3回目に投げ上げたポップコーンは、激しい太陽の逆光と群がる鳩の影に遮られ、男の視界から完全に消失してしまいます。