複数の韓国語教室や日韓カップル・夫婦の証言をまとめると、「엄마 vs 어머니」の使い分けは「親密さ×フォーマル度×話者の年齢・性別」の3軸で決まる。
「엄마」は英語の"Mom"や"Mommy"に最も近い感覚。幼少期から青年期まで、特に女性は成人後も日常会話では「엄마」を使い続けるケースが大多数を占める。一方、男性の場合は成人すると「엄마」と呼ぶことに照れや社会的プレッシャーを感じ始め、公の場や他人がいる前では「어머니」と呼び変えるという証言が多数ある。ある韓国語教室(首都圏・受講者約300名規模)のネイティブ講師は「20代の男性生徒から『実家では今でも엄마と呼ぶが、友人の前では어머니と言うようにしている』という話を本当によく聞く」と語っている。
「어머니」の最大の特徴は敬語・丁寧さのニュアンスが伴う点だ。手紙や改まったスピーチ、インタビューの場で自分の母を語るとき、韓国人は自然に「어머니」を選択する。K-POPアーティストが受賞スピーチで感謝を述べる際に「어머니、감사합니다(オモニ、カムサハムニダ)」と言うのも、この敬意のニュアンスを公衆の前で表明しているからだ。