エビの身を食べ終えたあとに残る殻や頭部には、身と同等以上のグルタミン酸、グリシン、アルギニンといったアミノ酸(旨味成分)が含まれています。高級洋食店で提供されるアメリケーヌソースやエビのビスクが驚くほど濃厚なのは、これらの殻から時間をかけて抽出したエキスをベースに構築されているためです。エビの殻を捨てないレシピを取り入れることは、高価な市販のフォンやブイヨンを買わずに最上級の調味料を手に入れることと同義といえます。
さらに見逃せないのが、殻に含まれる優れた栄養効能です。エビの殻や尾には、動物性食物繊維として知られるキチン(キトサン)が豊富に含まれています。キチンは腸内環境を整え、コレステロールの吸収を抑える働きが期待されている成分です。また、殻を加熱した際に鮮やかな赤色に変化するのは、強力な抗酸化作用を持つカロテノイドの一種アスタキサンチンによるものです。出汁としてじっくり煮出すことで、脂溶性のアスタキサンチンや水溶性のミネラル成分がスープへ溶け出し、美容と健康を支える栄養満点の一皿へと仕上がります。