手元にある洋梨がまだ硬い場合、適切な環境を整えることで理想的な追熟を促すことができます。基本となる洋梨の冷蔵常温保存方法の鉄則は、「完熟前は常温、完熟後は冷蔵」です。
追熟に最適な温度帯は15℃〜20℃前後の風通しの良い日陰です。直射日光を避け、乾燥を防ぐために新聞紙やペーパータオルで1玉ずつ包んで保管します。ここで注意したいのが、10℃以下の低温環境(冷蔵庫の野菜室など)に未熟な洋梨を入れてしまうと、追熟酵素の働きが鈍り、追熟が完全に停止してしまう点です。最悪の場合、果肉が黒ずむ低温障害を引き起こします。
「週末の来客に合わせて早く柔らかくしたい」という洋梨が固い時の対処法として最も有効なのが、追熟を早めるりんごの活用法です。りんご(特に「つがる」や「王林」など)は植物ホルモンであるエチレンガスを多く放出します。洋梨とりんごを1つのポリ袋に一緒に入れ、軽く口を縛って常温に置いておくことで、通常5〜7日かかる追熟期間を2〜3日程度に短縮させることが可能です。
全体が食べ頃を迎えた後は、ポリ袋に入れて密閉し、冷蔵庫の野菜室(3〜5℃)に移します。低温環境に入れることでエチレンの働きが抑制され、完熟状態の美味しさを約3〜4日間キープすることができます。食べる1〜2時間前に常温へ戻すと、冷えすぎて鈍っていた甘みと香りの立ち上がりが劇的に向上します。