柄本家を取り巻く家系図は、日本の映画・演劇史そのものといっても過言ではありません。柄本明が座長を務める劇団東京乾電池で出会い、苦楽を共にした妻・角替和枝さんは、名バイプレイヤーとして数多くの作品で愛されただけでなく、家庭内における「演劇教育の絶対的支柱」でした。
幼少期から映画が日常に溶け込んでいた柄本家では、食事の席でも映画のワンシーンや役者の立ち居振る舞いが話題に上り、母・和枝さんは息子たちに対して「役者になるなら、普段から普通の人間の生活をちゃんと観察しなさい」と口酸っぱく伝えていたと語られています。2018年に和枝さんが逝去された際にも、息子たちはその教えを胸に舞台や撮影現場に立ち続けました。
さらに2012年、長男・柄本佑が映画界屈指の実力派女優である安藤サクラと結婚したことで、芸能界屈指のサラブレッド・ファミリーが形成されました。安藤サクラの父は映画監督・俳優の奥田瑛二、母はエッセイストの安藤和津、姉は映画監督の安藤桃子。映画祭での出会いから始まった佑とサクラのパートナーシップは、互いの表現を高め合う理想的な関係として知られ、夫婦それぞれが日本アカデミー賞最優秀賞を受賞するという快挙を成し遂げています。