この館が持つ最大の武器は、ディープな地域性に特化した資料群にある。棚の一角に並ぶ郷土史料・地域文献のコーナーには、かつての下町風俗や芸能文化、商業の変遷を物語る貴重な記録がぎっしりと詰まっている。ミナミの路地裏を描き続けた無頼派作家、織田作之助に関する資料も手厚く保存されており、文学ファンにとってはたまらない空間だ。
館内の専用端末からは国立国会図書館デジタルコレクションへのアクセスも可能になっている。絶版になった明治・大正期の古文書や、地域の古い地図まで、個人の端末では閲覧できないデジタル化資料をその場で閲覧・複写できる環境は極めて贅沢だ。浪速の足跡を辿るフィールドワークの拠点として、これ以上の場所はない。