明治ブルガリアヨーグルトを巡る記憶の中で、多くの生活者が「いつの間にか見かけなくなった」と口を揃えるのが、かつて容器の蓋を開けると中に入っていた「フロストシュガー(顆粒状の小袋砂糖)」の存在です。ネット上では「ステルス値上げではないか」「コスト削減の一環だろう」と邪推されることも少なくありませんが、製造元が下した決断の背景には、日本の家庭内における消費スタイルの劇的な構造変化がありました。
株式会社 明治の公式発表および消費者調査データによると、2014年春に砂糖の添付が終了しました。当時、同社が実施した大規模な購買行動調査において、衝撃的な実態が浮き彫りになっていました。プレーンヨーグルトを購入する生活者のうち、添付された砂糖をそのまま使っている層は全体の約2割程度にまで激減していたのです。
多くの家庭では、健康志向の高まりから「無糖のまま食べる」習慣が定着していたほか、ハチミツやジャム、メープルシロップをかける、あるいはシリアルやフルーツに合わせるといったカスタマイズが進んでいました。さらに、料理の隠し味やタンドリーチキン、ドレッシングの材料としてプレーンヨーグルトを活用する動きも定着。その結果、使われないままキッチンの引き出しに溜まり、最終的に捨てられてしまう砂糖の廃棄(食品ロス)が深刻な課題となっていたのです。
こうした実態を踏まえ、同社は砂糖の添付を取りやめる代わりに、製造設備の刷新や発酵制御技術の進化へと投資を振り向けました。以下の比較表は、半世紀以上にわたる明治ブルガリアヨーグルトの仕様・容器・社会的立ち位置の変遷を整理したものです。