『夏疾風』の歌詞は、試合の一瞬一瞬にすべてを懸ける球児の視線と、アルプススタンドやテレビの前で祈るように見守る人々の心情が重なり合う構造になっています。冒頭の「眩しすぎる日差し」「吹き抜ける風」といった情景描写から一転、サビでは「今はただ 振り返らずに 走り出せばいい」と力強く聴き手の背中を押すメッセージが刻まれています。
特筆すべきは、各メンバーの持ち味を最大限に引き出した繊細な歌割り(パート分け)です。Aメロでは相葉雅紀さんの温かく真っ直ぐなボーカルや、二宮和也さんの哀愁と情感を帯びたフレーズが耳を引き、Bメロへ向けて櫻井翔さんと松本潤さんの安定した低中音域が楽曲の土台を支えます。そしてサビ前では大野智さんの圧倒的な伸びと透明感を誇るハイトーンが空へと突き抜け、サビの全員合唱へとドラマチックに雪崩れ込みます。
それぞれの声質が絶妙なグラデーションを描きながら、1曲を通してまるで「1試合の劇的なドラマ」を観戦しているかのようなストーリー性を生み出している点こそ、ファンの心を掴んで離さない大きな理由です。