「見た目にはそれほど変わっていないから大丈夫」という安易な自己判断は危険です。目視と嗅覚で判別できる日焼け止め劣化の見分け方には、明確な境界線が存在します。使用前に必ず手の甲などに出し、以下の異常が発生していないか検証してください。
もっとも警戒すべきは、分離や異臭のサインです。日焼け止めは本来、水と油を乳化剤によって均一に混ぜ合わせたエマルション構造を持っています。しかし、時間の経過や温度変化によって乳化状態が破壊されると、チューブから押し出した際に「透明な油分だけが水っぽく先に出てくる」「ボソボソとしたダマ状のペーストが出る」といった現象が生じます。容器を振っても元の滑らかなクリーム状に戻らない場合、内部の乳化バランスは完全に崩壊しています。
さらに、嗅覚のチェックも欠かせません。油分が空気中の酸素に触れ続けると「過酸化脂質」へと化学変化を遂げます。古いクレヨンや劣化した揚げ油のような酸っぱい油臭、あるいは原料臭がツンと鼻を突く場合、酸化した日焼け止めの影響が極限まで進行している明白な証拠です。また、容器の注ぎ口にカピカピに固まったクリームの付着や、黄ばみ・黒ずみが見られる場合も、雑菌が繁殖している可能性が高いため肌に乗せる行為は絶対に避けなければなりません。