映画『千と千尋の神隠し』の作中で、千尋が働くことになる巨大な湯屋「油屋」。そこに勤める下男として登場するのが「青蛙」です。彼は八百万の神々をもてなす下働きの一員であり、人間の姿ではなくカエルの姿をした怪異として描かれています。
物語の中盤、静まり返った大浴場で砂金を探していた青蛙は、欲に目が眩んだ結果、謎の存在「カオナシ」に丸呑みされてしまいます。この瞬間にカオナシは青蛙の声と欲望をそのまま獲得し、偽りの金を振りまきながら油屋を混乱の渦へと巻き込んでいくことになります。青蛙は、受動的な被害者でありながら、カオナシの凶暴性と強欲さを解き放つトリガー(引き金)としての重要な役割を果たしていたのです。