2012年7月、第22話「美しきアバター エスケイプ」で初登場を飾った際、SNSや当時の実況掲示板は騒然となりました。深紅の裏地を覗かせる漆黒のレザージャケット、胸元を強調したビスチェ、ショートパンツに網タイツという出で立ちは、歴代の戦隊悪役ヒロインのなかでも群を抜いて刺激的な造形だったためです。一部の視聴者や保護者の間で「日曜朝の番組として過激すぎるのではないか」という議論が巻き起こったのも無理はありません。
しかし、この衣装デザインは単なるファンサービスを目的としたものではありませんでした。チーフプロデューサーをはじめとする制作陣の意図は、『特命戦隊ゴーバスターズ』が標榜した「リアル志向のスパイアクション」の体現にありました。すでに冷徹な知性派として盤石の存在感を示していた幹部・エンター(陳内将)に対し、肉弾戦を好む武闘派のアバターとして対比させる必要があったのです。
公式インタビューや当時の制作証言によれば、水崎綾女はアクションシーンにおける可動域を確保しつつ、極限までタイトなシルエットを維持するため、過酷なトレーニングとフィジカルコントロールを行って撮影に臨んでいました。愛銃である「ゴグとマゴグ」を取り回す華麗なガンアクションや激しいワイヤーワークを自らこなすプロ意識が、衣装の扇情性を「洗練された戦闘美」へと昇華させました。