プロが教える生ハムの種類と選び方|世界三大生ハムを徹底比較

プロが教える生ハムの種類と選び方|世界三大生ハムを徹底比較

プロが教える生ハムの種類と選び方|世界三大生ハムを徹底比較を徹底追究! 読者が気になる トピックの裏側を分かりやすく展開します。

日本のスーパーで日常的に見かける手頃な価格の生ハムは、欧州の伝統的なプロシュートとは異なるアプローチで作られているケースが一般的です。日本の食品衛生法およびJAS規格では、生ハムは「非加熱食肉製品」というカテゴリーに分類されます。これは、加熱殺菌を行わない代わりに、塩分濃度、pH、水分活性(Aw)を厳格にコントロールしてボツリヌス菌などの食中毒菌の増殖を抑制する基準です。

日本の市販生ハムの多くは、ドイツ伝統の「ラックスハム(Lachsschinken)」の製法をベースにしています。「ラックス」とはドイツ語で鮭(サケ)を意味し、鮮やかなサーモンピンクの断面から名付けられました。豚ロース肉などを短期間塩漬けにし、低温で冷燻(スモーク)をかけて仕上げるため、みずみずしい食感と適度なスモーキーフレーバーが特徴です。

一方で、欧州の伝統的な長期熟成生ハムは原則として「冷燻」を行わず、海塩のみで脱水した後に数か月から数年におよぶ自然乾燥と微生物の発酵作用によって仕上げられます。この発酵プロセスの過程で肉のタンパク質が分解され、大量のグルタミン酸やアスパラギン酸などの遊離アミノ酸へと変化します。熟成期間の長い生ハムに見られる白い微細な粒は「チロシン」と呼ばれるアミノ酸の結晶であり、口に含むと心地よいジャリ感とともに強烈な旨味を放ちます。

佐々木 一輝
著者

佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。