韓国代表の躍進を阻むもう一つの構造的要因が、代表監督選考を巡る迷走です。2022年カタールW杯で16強進出を果たしたパウロ・ベント監督の退任後、大韓サッカー協会が招聘したユルゲン・クリンスマン監督の任期は、わずか1年足らずで悪夢のような幕切れを迎えました。
クリンスマン体制下では、アメリカ在宅勤務による「外遊批判」や具体的な戦術の欠如、さらには前述のアジアカップ内紛をコントロールできなかったマネジメント放棄が厳しく問われ、2024年2月に電撃更迭。解任に伴う違約金はコーチ陣を含め約100億ウォン(約11億円)規模に達したと報じられ、協会財政にも深刻な打撃を与えました。
その後、臨時監督体制を経て2024年7月に就任したのが、2012年ロンドン五輪で銅メダルを獲得した英雄ホン・ミョンボ(洪明甫)監督です。しかし、この選任プロセスを巡り、外国人候補者を差し置いて国内クラブ(蔚山HD)を指揮中だった指揮官を引き抜いた経緯が不透明であるとして、世論とサポーター連合会「赤い悪魔」が猛反発。韓国国会の文化体育観光委員会に協会トップのチョン・モンギュ会長とホン・ミョンボ監督が証人喚問されるという、異例の政治問題にまで発展しました。