日常的にSuicaやPASMO、ICOCAなどを利用している乗客から最も多く寄せられる疑問が、「バス整理券ICカード必要か」という点です。
結論から申し上げますと、ICカードを利用する場合は原則として整理券を取る必要はありません。ICカードを乗車口の読み取りリーダーにタッチした瞬間、カードのICチップ内に「どの停留所で乗車したか」という乗車情報が瞬時に書き込まれるためです。整理券が担っている乗車証明の役割を、デジタルデータが代替しています。
しかし、ここに最大の落とし穴が存在します。それが「乗車時のタッチ忘れ」です。
多区間運賃バスにおいて、乗車時にリーダーへタッチせず車内に入ってしまうと、降車時に運賃箱のリーダーへタッチしても「ピピピピ」「ピンポン」とけたたましい警告音が鳴り響き、改札エラーとなります。降車リーダーは「乗車記録」と「降車場所」の差分から運賃を引き去るプログラムになっているため、乗車データが空白のカードからは正しく決済ができません。
万が一、乗車タッチを忘れてしまった場合の復旧手順は整理券の取り忘れと同じです。降車時にICカードを無理に押し当てず、乗務員に「乗るときにタッチを忘れました。〇〇から乗車しました」と伝えてください。乗務員が運賃箱の処理機に乗車停留所を手動入力した上で、「どうぞタッチしてください」と案内され、正常な運賃引き去りが完了します。
現金、ICカード、さらには全国で利用可能枠が広がるQRコード決済など、多面化するバス運賃の支払い方法に対応するためにも、「乗車口にある機械には必ず触れる(紙を取るか、カードを確実にタッチするか)」という行動を体に染み込ませておく必要があります。