ネット上や世間一般では「体が大きい=頑丈で長生き」というイメージを持たれがちですが、医学的な現実は大きく異なります。極端な高身長は循環器系や関節組織に対して物理的・生理学的に極めて重い負荷をかけます。
心臓は2メートル以上の高さまで血液を循環させるために常に高負荷で拍動し続ける必要があり、心肥大や心不全のリスクが高まります。さらに、末梢神経障害によって足先の感覚が鈍くなり、小さな靴擦れや外傷から感染症を起こしやすい体質になります。実際、歴代世界一のロバート・ワドローは、足首に装着していた金属製装具の靴擦れから細菌感染を起こし、敗血症により22歳の若さで夭折しました。
しかし、2000年代以降の現代医療は劇的な進化を遂げています。スルタン・コーセンは米バージニア大学医療センターで最先端のガンマナイフ放射線治療と薬物療法を受け、2012年に下垂体腫瘍の活動と成長ホルモンの過剰分泌を完全に停止させることに成功しました。これにより、かつてのような早逝の宿命を断ち切り、40代を迎えた現在も安定した健康状態を保ちながら世界的な親善大使として精力的に活動を続けています。