日本の伝統的な婚礼衣装において、最も格式が高いとされる正礼装が「白無垢」と「色打掛」です。どちらも花嫁だけが着用を許された特別な着物ですが、その役割と象徴する意味合いには明確な違いがあります。
白無垢が「邪気を払い、嫁ぎ先の色に染まる」という純真無垢な誓いを意味するのに対し、色打掛は「嫁ぎ先の色に美しく染まった姿」を表現しています。白無垢で挙式を行い、披露宴で鮮やかな色打掛へとお色直しをする流れは、かつての「生まれ変わり」の儀礼を受け継ぐ美しい婚礼マナーの一つです。
格式という観点では色打掛も白無垢と同格の第一礼装に位置づけられています。そのため、披露宴のお色直しだけでなく、神社挙式や神前式で最初から色打掛を纏うスタイルも正式なマナーとして認められています。厳粛さを最優先にするなら白無垢、最初から華やかな存在感を放ちたいなら色打掛といったように、挙式のテーマに合わせて柔軟に選択できます。