日本語の親族呼称体系は、誰の立場から誰に対して発言しているかによって単語そのものが変化します。以下の家族の呼び方一覧は、第三者に対して話す際の「自分の親族(内)」と「相手の親族(外)」の標準的な対比です。
・祖父:【内】祖父(そふ) / 【外】お祖父さん(おじいさん)、御祖父様
・祖母:【内】祖母(そぼ) / 【外】お祖母さん(おばあさん)、御祖父様
・父:【内】父(ちち) / 【外】お父さん(おとうさん)、御尊父(ごそんぷ)
・母:【内】母(はは) / 【外】お母さん(おかあさん)、御母堂(ごぼどう)
・兄:【内】兄(あに) / 【外】お兄さん(おにいさん)、ご令兄(ごれいけい)
・姉:【内】姉(あね) / 【外】お姉さん(おねえさん)、ご令姉(ごれいし)
・弟:【内】弟(おとうと) / 【外】弟さん(おとうとさん)、ご令弟(ごれいてい)
・妹:【内】妹(いもうと) / 【外】妹さん(いもうとさん)、ご令妹(ごれいめい)
このように、日本語の親族呼称は自らを低めて相手を高める「相対敬語」の構造に深く根ざしています。英語圏では誰の家族であっても「my sister」「your sister」と同一の単語に所有格を付けるだけで成立しますが、日本語では呼称そのものを使い分ける文化的背景があります。