昇段審査において、日本剣道形は実技(稽古)審査と対をなす必須科目です。全日本剣道連盟が定める日本剣道形審査基準では、礼法から立ち合い、構え、気合、間合い、刃筋、残心に至るまで、剣道の基本理念が余すところなく観察されています。
特に初段審査の日本剣道形では太刀の形一本目から三本目、二段では五本目、三段では七本目、そして四段・五段以上では太刀七本に加えて小太刀三本が課されます。段位が上がるにつれて技術的な正確さだけでなく、「風格・気位(きぐらい)」や「攻めの充実」が厳格に問われます。
現場の審査講評において、高段位の審査員が一貫して指摘するのは「形の審査は単なる記憶力テストではない」という点です。木刀であっても真剣と同じ緊張感を保ち、相手の喉元を突く刃筋や足さばき、そして打突後の油断のない残心を示せているかが、合否の明暗を分ける決定打となります。