日本の下着文化を語る上で欠かせないのが、大手下着メーカー・ワコールの創業史です。創業者の塚本幸一は、太平洋戦争から復員した直後の1946年(昭和21年)、「女性の美しさを引き出し、平和な社会を作りたい」という強い志を抱いて京都で和江商事を立ち上げました。
当時、着物から洋服へと着替えた日本女性にとって最大の悩みは、平坦な胸元でした。そこでワコールは1949年に「ブラパット」を発売し、爆発的なヒットを記録します。その後、日本人の平胴体型にフィットする独自のブラジャーを次々と開発し、1964年の東京オリンピック前後に起きたプロポーションブームを力強く牽引しました。
ワコールをはじめとする国内下着メーカーの技術開発は、日本女性の体格向上や食生活の変化と連動しながら、単なる肌着を「美しいシルエットを演出するファッションアイテム」へと昇華させたのです。