上白石萌歌の写真集が幅広い世代から再評価されている背景には、彼女が歩んできた独自のキャリアパスが深く関係しています。2011年に第7回「東宝シンデレラ」オーディションで史上最年少(当時10歳)グランプリを受賞して芸能界入りした彼女は、着実に実力を磨き、キャリア14年目を迎えた現在では日本を代表する表現者のひとりへと成長を遂げました。
その歩みの中で燦然と輝く原点が、10代最後の瞬間に刊行された上白石萌歌 1st写真集『まばたき』(宝島社)です。新進気鋭の写真家・東京祐氏が全編フィルムカメラを主軸に撮り下ろした同作は、みずみずしい少女の面影と大人の女性へと脱皮するグラデーションを鮮烈に捉えています。異国情緒あふれる台湾ロケでの無邪気な笑顔や、現地の空気に溶け込む自然体の姿は、単なるタレント写真集の枠を超えたドキュメンタリーとしての価値を確立しました。
そして25歳の節目には、松岡一哲氏の撮影による記念写真集『charm charm』(講談社)が発表され、舞台をインド洋の島国スリランカへと移しました。あどけなさを残していた『まばたき』から、人生経験と表現力を重ねた『charm charm』へ――。2作品を比較して鑑賞することで彼女の内面的な深化を追体験できる点が、現在進行形で新たなファン層を惹きつける決定的な要因となっています。