問題の炎上動画は、もともと本人のInstagramに投稿された限定的なストーリー映像だった。しかし、それを閲覧した第三者が保存し、YouTubeやその他のプラットフォームへ転載したことで事態は一気に制御不能となった。拡散速度は凄まじく、数時間のうちにミリオン単位の再生数を記録することとなった。
アルゴリズムに乗って世界中にばら撒かれた映像は、一度ネットに刻まれると二度と消し去ることができない「デジタルタトゥー」の凶暴さを社会に見せつけた。本名や住所、過去の経歴までもが暴かれ、名誉の回復が不可能なレベルで私刑が下された。ネット空間の拡散力と個人の人生が一瞬で崩壊する恐怖を、この事件はまざまざと見せつけたのである。