こうした実生活での苦闘は、日本の立法・政策プロセスを大きく動かす原動力となった。2021年に超党派で成立した「医療的ケア児支援法」の背景には、まさに真輝さんの存在と野田氏の執念が存在する。従来、医療的ケアが必要な子どもと全天候で向き合う負担は、ほぼ完全に家庭――特に母親の肩に重くのしかかっていた。
同法の成立により、地方自治体や学校設置者に対して医療的ケア児への適切な支援を行う責務が明記された。保育所や学校への看護師配置が進むなど、制度改革は着実に結実しつつある。自らの家庭での苦悩を法制度へと昇華させたこの動きは、政治が個人の痛みに応えた象徴的な事例として高く評価されている。