「C」を頭文字に持つ球団はレッズだけではない。メジャーリーグにはシカゴ・カブスも存在する。しかし、カブスのロゴは円形に近いクラシックなフォルムであり、赤地に青の縁取りが施されている。広島が選択したのは、より疾走感と鋭さを感じさせるレッズ調のウィッシュボーン型であった。文字の線の太さや先端のアール処理において、細やかな独自のアレンジが加えられている。
昭和のアート界を牽引した岡本太郎が近鉄バファローズの猛牛マークを手掛けたように、当時のプロ野球界はグラフィックデザインの黄金期を迎えていた。単にイニシャルを配置するだけでなく、スポーツにおける視覚的インパクトが重視された時代だ。カープの「C」もまた、戦後復興の象徴として市民に勇気を与えるため、洗練された造形美を追求した結果として今日まで受け継がれている。