吹石一恵がスクリーンで鮮烈な印象を残したのは、1997年に公開された日本映画『ときめきメモリアル (映画)』での本格デビューだった。社会現象を巻き起こした人気恋愛シミュレーションゲームの実写化という高い注目度とプレッシャーのなか、ヒロイン・藤崎詩織役に抜擢された彼女は、当時まだ10代半ば。飾らない素顔と瑞々しい存在感で観客を惹きつけた。
すらりとした長身と、どこか大人びた憂いを帯びた表情。いわゆる典型的なアイドル像とは一線を画す、芯の強さを感じさせる佇まいが映画関係者の間でも高く評価された。まさに原石が光を放ち始めた瞬間であり、その後の俳優人生を決定づける重要なマイルストーンとなった。