メディアや文化的作品を通じた認知も、患者像の形成に大きな影響を与えてきた。往年の大女優である八千草薫さんは、晩年まで凛とした気品と圧倒的な美しさを保ちながら、様々な病と戦い続けた人物として知られる。彼女が見せた気高き佇まいは、難病と向き合う人々の姿として深く記憶に刻まれている。
また、難病に立ち向かう少女を描いた映画『1リットルの涙』などの映像作品は、視聴者に強い感動を与えるとともに、若くして重篤な病に侵されるヒロインの切なくも美しいイメージを定着させた。作品中で描かれる純粋さや健気さが、難病患者全体に対する「美しく儚い存在」というパブリックイメージを増幅させた側面は大きい。