巽橋のたもと、朱塗りの玉垣が並ぶ辰巳大明神から歩を進めると、風情あふれる石畳が続く。この一帯は、国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されている「祇園新橋伝統的建造物群保存地区」であり、京都市観光協会が推進する歴史的景観保全の象徴的なエリアだ。
ぎをん小森の建物は、かつて多くの旦那衆や芸舞妓が行き交った元お茶屋の町家建築をそのまま活かしている。暖簾をくぐり靴を脱いで上がると、磨き上げられた床や繊細な細工の障子、床の間が迎えてくれる。祇園白川の水面に映る木々や町家の影を眺めながら過ごす時間は、観光の合間の単なる休憩ではなく、京都の生きた文化に浸る特別な体験そのものと言える。