かつて若者の流出に頭を悩ませていた山あいの過疎地域が、一軒の食処を軸に息を吹き返すケースが相次いでいる。地元産の炭を使い、近隣の農家が育てた新鮮な朝採れ野菜を添え、地域の地酒とともに提供する。この循環型モデルが、地方に確かな経済波及効果をもたらしているのだ。
ある地域の店舗では、週末の来店客数が自治体の人口を上回る日すらある。周辺の道の駅や日帰り温泉施設にも立ち寄り客が流れることで、地域全体に経済の血が通う。派手なインフラ開発ではなく、その土地にある「食の原風景」をそのまま観光資源化する成功例として、行政関係者からの注目度も年々高まっている。