『ドロヘドロ』最大の謎にして最も入り組んだ設定が、カイマンの正体です。結論から言うと、カイマン、会川、十字目のボス(壊)、そしてアイ=コールマンはすべて同一人物です。ひとつの肉体の中に、異なる記憶と人格、そして異なる姿が同居・変遷する多重存在となっていました。
この複雑な構造の核にあるのは、魔法使いの世界を牛耳ろうとしていた弱小魔法使い集団「十字目」の頂点、十字目のボス「壊(カイ)」の存在です。アイの中に蓄積されたホールの怨念が凶悪な人格「壊」を生み出す一方で、その凶行への無意識の拒絶や罪悪感から善良な人格「会川」が分離しました。会川として生活している間はボスの記憶を失っており、栗鼠(リス)という親友を作って穏やかに暮らしていたのです。
つまり、彼の人格サイクルは次のように移り変わっていました。
【アイ】(魔法使いになりたかったホールの人間)
↓ 湖への投身・変異
【壊(ボス)】(魔法使いを惨殺し煙を奪う冷酷な支配者)
⇄ 記憶をリセットして切り替わる
【会川】(栗鼠の親友である心優しい青年)
↓ 首切断・魔法の重複・記憶喪失
【カイマン】(二階堂と出会いギョーザを愛するトカゲ男)