大森南朋を語る上で見落とせないのが、その類まれなる身体性とルーツです。彼の父親は、前衛舞踏集団「大駱駝艦」を主宰する世界的な舞踏家・俳優の麿赤兒(まろ あかじ)であり、実兄は映画監督の大森立嗣です。
一部のネット上では「二世俳優としての優遇があったのではないか」という誤解も見られますが、実際のキャリアパスは全く異なります。大森南朋は20代の下積み時代、エキストラ同然の端役や低予算インディーズ映画を泥臭く渡り歩き、自らの足で実力を証明してきました。
舞踏家の血を引く卓越した「立ち居振る舞いの美しさ」と「脱力したリアリズム」は、こうした過酷な下積みと特異な芸術的背景が融合して生まれた、唯一無二の武器と言えます。