厚生労働省が毎年実施している人口動態統計を紐解くと、食品による不慮の窒息事故で命を落とす人は年間数千人に及ぶ。その発生時期の波は異様だ。一年の中で、1月だけに突出した山が形成される。その主犯格が「餅」であることは明白だ。
救急搬送の現場を預かる東京消防庁の集計データも、過酷な現実に拍車をかける。正月の三が日だけで、年間の餅による救急搬送者の多くが集中する。搬送される患者の約9割は65歳以上の高齢者。餅が喉に詰まった瞬間から、脳への酸素供給は絶たれる。まさに一刻を争う救急医療の勝負がそこから始まる。