原作者とテレビ局の確執が報じられる中で、長年ネット上では「現場の主演俳優と原作者の間にも確執があったのではないか」という根拠のない憶測が飛び交っていました。しかし、その誤解は関係者本人の生の声によって覆されることになります。
大きな転換点となったのは、佐藤秀峰氏がWEBメディアのnoteで赤裸々に明かした現場の回想録でした。佐藤氏は映画撮影現場を訪れた際、プロデューサーから冷遇された経験や、現場の異様な空気感を告白。その中で、主演を務めていた伊藤英明とのやり取りにも触れ、当時の複雑な心情を吐露しました。
この告白を受け、伊藤英明は自身の公式インスタグラムで即座に沈黙を破りました。伊藤は撮影現場で佐藤氏から直筆サインとイラストをもらった原作コミックスの写真を添え、長文のメッセージを投稿しました。そこには、駆け出しの俳優だった自分が仙崎大輔という役柄にどれほど救われ、魂を削って演じたか、そして原作者である佐藤氏に対する深い感謝と敬意が率直な言葉で綴られていました。
伊藤英明のインスタグラムでの投稿は多くのファンの涙を誘い、佐藤氏もその後、伊藤の真摯な想いを受け止める追加のコメントを発信。佐藤氏が問題視していたのは、現場で命を張って演技をしていた俳優たちではなく、原作者を単なる「コンテンツの供給元」として軽視し、現場の利権を独占していたテレビ局や映画プロデューサーの体質そのものでした。俳優と原作者が互いの立場を尊重しながらも、制作システムの歪みによって引き裂かれていたという痛切な実態が浮き彫りになったのです。