抹茶と粉茶の違いは?寿司屋のあがりと製法・栄養の決定的な差

抹茶と粉茶の違いは?寿司屋のあがりと製法・栄養の決定的な差

抹茶と粉茶の違いは?寿司屋のあがりと製法・栄養の決定的な差について徹底解説いたします。専門家の見解をお届けします。

店頭での実勢価格を比較すると、一般的な粉茶が100gあたり300円〜600円程度で購入できるのに対し、茶道用抹茶は30gで1,000円〜3,000円(100g換算で3,300円〜1万円超)と、実に5倍から10倍以上の価格差が生じています。この圧倒的な価格差の背景には、栽培と製法における莫大な手間と設備投資の違いが存在します。

抹茶の原料となるのは「碾茶(てんちゃ)」と呼ばれる特別な茶葉です。収穫前の約20〜30日間、茶園全体を黒い遮光ネットやヨシズで覆う「被覆栽培(覆下栽培)」を行います。日光を遮られた茶葉は、光合成を制限されることで渋み成分(カテキン)の生成が抑えられ、旨味・甘み成分であるアミノ酸(テアニン)が葉内部に極限まで蓄積されます。さらに収穫後は、一般的な煎茶のように「揉む(揉捻)」工程を一切行わず、そのまま乾燥させて茎や葉脈を徹底的に除去。最後に伝統的な石臼を用い、1時間でわずか40g程度しか挽けないスピードで超微粒子へと仕上げられます。

これに対し、粉茶のベースとなるのは太陽の光を燦々と浴びて育った「煎茶」です。日光をたっぷり浴びることで光合成が活発に行われ、爽やかな香りと強い渋みを持つカテキンが豊富に作られます。煎茶を作る際に茶葉を揉み込む過程で副産物として発生する「選別屑(出物)」が粉茶となるため、新たな栽培コストや製粉コストがほとんどかかりません。いわば「高品質な煎茶のエッセンスを格安で楽しめる副産物」という位置づけであるため、手頃な価格帯が維持されているのです。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。