一口にカーブと言っても、曲がり幅や球速、軌道によって複数のバリエーションが存在します。自分の骨格や投球スタイルに合わせて最適な握りを選択することが、安定した制球と大きな変化量を生み出す近道です。ここでは基本となるカーブの握り方とコツを種類別に解説します。
まず基本形となるクラシックなカーブでは、ボールの縫い目に中指の腹全体を深くかけ、親指はボールの真下ではなくやや内側の縫い目に当てて「中指と親指でボールを挟み込む」形を作ります。このとき、人差し指は中指に軽く添える程度にするのがポイントです。人差し指に余計な力が入ると中指の抜ける感覚を邪魔してしまい、回転数が落ちる要因になります。
縦に鋭く落下するドロップカーブの投げ方では、中指をかける位置をボールの最も膨らんだ外側の縫い目に合わせます。腕の振り下ろし角度(アームアングル)を意識的に立てるのではなく、高いリリースポイントを保ったまま「打者のヘルメットの高さからキャッチャーのミットへ一直線に叩き落とす」イメージで中指を前方に押し出します。重力と順回転の相乗効果で、ベース板の手前で急激に視界から消えるような落差を記録します。
緩急でタイミングを外すスローカーブの投げ方は、親指と中指の挟みをやや深めに設定し、手のひらとボールの間にわずかな隙間を残す握りを採用します。腕の振りのスピード自体はストレートと寸分違わず振るものの、ボールが手から離れる瞬間に中指と人差し指の間を滑り出るように設計します。球速をストレートより30km/h以上遅く設定できれば、現代野球の強力打線でも体勢を大きく崩すことが可能です。
そして近年、NPBやMLBで劇的な奪三振率を誇るのがナックルカーブの握り方です。人差し指の第一関節を折り曲げてボールの縫い目に爪を立てる、もしくは指の背をボールに押し当てて構えます。人差し指をあらかじめ完全に無力化しておくことで、中指1本だけに推進力と回転エネルギーを集中させることができます。リリース時に爪を立てた人差し指でボールを前方に弾き飛ばす感覚が加わり、通常のカーブよりも高速かつ急激に縦へ沈むトップスピンを獲得できます。