スーパーの鮮魚売り場に並ぶ鮭には、大きく分けて「生鮭」と「塩鮭(甘口・中辛・辛口)」の2系統が存在します。両者を同一の感覚で調理してしまうと、味付けの不均衡や食感の破綻を招く大きな盲点となります。
冷凍生鮭焼き方において注視すべきは、下味としての塩分が含まれていない点と、組織内の水分量が塩鮭よりも格段に多い点です。生鮭を凍ったまま焼く際は、流水で霜を取って水気を拭き取った直後、表面全体へ均一に塩を薄く振る作業が欠かせません。この塩は味付けだけでなく、加熱時の身崩れを防ぐタンパク質凝固の引き金として機能します。バター醤油焼きやホイル焼き、ムニエルといった洋風アレンジへ展開する場合も、蒸し焼き時間をやや長め(約1分プラス)に設定するのが失敗を避ける基準です。
一方の冷凍塩鮭焼き方では、すでに塩蔵加工の段階で余分な水分が適度に抜け、身のタンパク質がキュッと引き締まっています。そのため、追加の塩は一切不要です。ただし、塩分濃度が高い辛口の鮭ほど熱が伝わった際に身が引き締まりすぎて硬化しやすいため、日本酒の量を大さじ1弱と多めに投入し、蒸気圧を高めて優しく火を入れる配慮が求められます。
加熱器具として冷凍鮭魚焼きグリルを選択する場合は、器具内部をあらかじめ強火で2〜3分予熱しておくのが定石です。凍った鮭を網にのせたら直ちに弱火へと落とし、じっくりと熱を浸透させます。両面焼きグリルなら弱火で約9〜10分、片面焼きなら弱火で6分焼いた後に裏返して4分が黄金律となります。網に薄く酢やサラダ油を塗っておけば、皮の張り付きも防ぐことが可能です。
なお、コンロが全て埋まっているシチュエーションでは冷凍鮭トースター焼き方が真価を発揮します。アルミホイルを一度くしゃくしゃにしてから広げ、そこに鮭をのせて上からもふんわりとホイルを被せる「包み蒸し」の形を作ります。1000W前後の出力で約12分加熱した後、上のホイルを外して追加で2〜3分焼けば、トースター特有の赤外線ヒーターによって綺麗な焦げ目がついた仕上がりを手間なく堪能できます。