保険代理店の窓口や自動車ディーラーで見積もりを作成すると、多くの場合「免許取り立てでぶつける可能性が極めて高いのだから、車両保険は絶対につけておくべきです」と強く推奨されます。しかし、ここに大きな家計の罠が潜んでいます。
18歳新規加入において、保険料全体の半分から6割近くを占めているのは「車両保険」の保険料です。対人賠償・対物賠償を「無制限」に設定した純粋な賠償責任保険だけであれば、ダイレクト型損保なら年間12万〜15万円前後に収まるケースが一般的です。そこに一般型の車両保険を組み込むことで、一気に28万〜35万円へと跳ね上がります。
ここで冷静な損益分岐点の計算が不可欠となります。例えば、運転の練習用として本体価格40万〜50万円程度の中古軽自動車を購入したケースを考えてみてください。年間15万円前後の追加保険料を払って車両保険を付帯しても、全損事故時に支払われる保険金の上限は車両の時価額(購入時の40万〜50万円程度)に過ぎません。免責金額(自己負担額)を差し引けば、手元に残る金額はごくわずかです。
「低年式の中古車なら思い切って車両保険を外す」「単独事故を補償対象外にするエコノミー型(車対車+限定危険)にとどめる」「免責金額を1回目10万円に設定する」といった工夫を凝らすだけで、年間保険料は8万〜12万円単位で削減できます。ネット上の「初心者は車両保険必須」という言説を鵜呑みにせず、車両の資産価値と追加保険料のバランスをシビアに見極める姿勢が求められます。