サンデーGXで連載を担う倉田三ノ路氏のアプローチは、原作の持つ「本格ミステリー」「宮廷サスペンス」としての側面に深くフォーカスしています。
倉田版の作画は、線の強弱が明快でコマ割りの視線誘導が非常にスムーズです。難解になりがちな毒殺未遂事件のトリックや、後宮内の複雑な人間関係図が、絵を見るだけで直感的に理解できるよう工夫されています。
キャラクター描写においても、甘さを適度に抑えたリアリズムが特徴です。猫猫の現実主義者としてのシニカルな表情や、薬草を前にしたときの異様な執着心が、説得力を持って描かれます。アニメ化以降、2つの漫画版を読み比べるファンが増加したことで、「ミステリーのテンポ感と緻密なプロット重視なら倉田版」という独自の支持基盤を強固なものにしています。