首だけの状態となった童磨は、毒で自らを追い詰めたしのぶに対し、屈託のない笑顔で「一緒に地獄へ行こう」と手をとろうとする。だが、しのぶから返ってきたのは、慈愛の笑みでも同情でもなく、底冷えするような冷酷な言葉だった。「とっととくたばれクソ野郎」。
創作物において、敵役が死の間際に改心したり救いを得たりする演出は珍しくない。しかし、しのぶは童磨の土壇場での「感情ごっこ」を微塵も受け入れず、惨めな孤立のまま地獄へ突っぱねた。この一切の妥協を許さない拒絶こそが、ファンに絶大なカタルシスを与え、悪意に対する絶対的な審判として胸に刻まれている。