ネット上の掲示板やSNSでは、時折「装苑は前衛的すぎて普段着の参考にならない」「奇抜すぎて実用性がない」といった声が見受けられます。しかし、これは雑誌の根本的な目的を取り違えた誤解に過ぎません。
一般的なファッション誌が「明日着る服のコーディネート提案」を目的とするならば、『装苑』は「衣服という表現が持つ可能性の提示」を目的としています。服飾社会学の視点で見れば、大衆消費社会におけるファッション誌の多くはファストファッションの購入を促す「カタログ」の役割を果たしていますが、『装苑』はクリエイティビティの源泉を刺激する「アイデアブック」として機能しています。
読者は掲載された服をそのまま買って街を歩くために読んでいるのではなく、色使いの大胆さ、異素材の組み合わせ、デザイナーの思想を自らの創作活動やライフスタイルに取り入れるために購読しています。この本質を理解することで、『装苑』が持つ唯一無二の価値が明確に浮かび上がります。