ファンや着物愛好家の間で常に話題となるのが、「あの着物はどこのブランドなのか」「一般人でもどこで買えるのか」という疑問です。彼女が公の場やミュージックビデオ、ライブで着用する着物は、大きく分けて「現代気鋭のデザイナーズ着物」と「一点物の特注・老舗染織品」に分類されます。
代表的な愛用ブランドとして知られるのが、東京・代々木公園に拠点を置く「月影屋(つきかげや)」です。伊勢型紙や注染といった伝統技法を用いながら、「夜露死苦」「狂」「注射器」といった過激でウィットに富んだモチーフを染め抜く月影屋の浴衣や帯は、椎名林檎のエッジの効いた世界観と完璧に共鳴しています。月影屋のアイテムは公式直営店やオンラインショップで取り扱われており、浴衣であれば約6万円〜10万円前後、正絹の帯であれば10万円〜20万円台で購入可能です。
また、現代着物ブームの先駆けである「豆千代モダン」のアイテムも、初期から中期にかけてのスタイリングで重要な役割を果たしました。鮮やかな色彩とレトロモダンなテキスタイルは、日常に溶け込むカジュアル着物として一般のファンでも手が届きやすく、原宿・新宿のカルチャー層に深く浸透しています。
一方で、NHK紅白歌合戦や大規模アリーナツアーで着用される豪奢な打掛や訪問着は、専属スタイリスト(杉山優美氏ら)や熟練の職人が楽曲のテーマに合わせて特別に誂えたオートクチュール(特注品)が中心です。これらは市場で既製品として流通していませんが、彼女が取り入れる「半襟の柄合わせ」や「アンティーク帯の組み合わせ」は、リサイクル着物店や現代モダン着物ショップのセレクトで十分に再現可能です。