鬼殺隊最終決戦となる「無限城編」において、カナヲは物語のクライマックスを担う極めて重要な戦いに身を投じます。対峙した相手は、自らの育ての親である胡蝶カナエ、そして師匠であり姉のように慕った胡蝶しのぶの命を奪った宿敵、上弦の弐・童磨(どうま)でした。
冷徹に計算されたしのぶの自己犠牲——自らの全身に致死量の700倍(約37kg相当)に及ぶ藤の花の毒を巡らせ、童磨に喰わせるという壮絶な策略——の結末を、カナヲは涙を呑んで見届けます。しのぶの肉体が崩壊する瞬間を目の当たりにしながらも動揺を抑え込み、合流した嘴平伊之助と共に猛攻を仕掛けました。
童磨の放つ極低温の冷気と血鬼術に対し、カナヲは卓越した体幹と動体視力を武器に「花の呼吸」を繰り出します。作中で描かれた花の呼吸の技は以下の通りです。
- 弐ノ型 御影梅(みかげうめ):自身の周囲を斬り裂くように張り巡らせる防御特化の連続技。
- 肆ノ型 紅花衣(べにはなごろも):円を描くように淀みなく斬り下ろす流麗な軌道の斬撃。
- 伍ノ型 徒の徒然(あだのつれづれ):刃の残像が幾重にも重なって見えるほどの超高速多段突き。
- 陸ノ型 渦桃(うずもも):空中で体を鋭く反転させながら広範囲を刈り取る回転斬撃。
- 終ノ型 彼岸朱眼(ひがんしゅがん):眼球の毛細血管に全集中の呼吸を送り込み、動体視力を極限まで高める禁忌の奥義。周囲の動きが止まって見える反面、毛細血管の破裂による失明リスクを伴う諸刃の剣。
しのぶの毒が童磨の肉体を内側から崩壊させ始めた絶好の勝機、カナヲはためらうことなく「終ノ型 彼岸朱眼」を解放しました。限界を超えた視界の中で童磨の血鬼術を紙一重で回避し、伊之助の放り投げた日輪刀の推進力を借りて、見事に上弦の弐の首を切り落とすことに成功したのです。