猫を家族に迎えた後、多くの飼い主が抱く実務的な疑問が「血統書が手元に届く時期」と「名義変更の要否」です。
猫の血統書がいつ届くのか、その理由について解説します。ペットショップやブリーダーから迎えた当日、その場で血統書が手渡されるケースは稀です。通常は引き渡しから2ヶ月〜6ヶ月程度の期間を要します。これには正当な理由が2点あります。
第一に、子猫が産まれてから離乳し、個体識別が可能になった段階で一括して登録団体へ申請するため、団体の審査・印刷・返送に物理的な日数がかかる点。第二に、多くのブリーダーや販売店が「不妊・去勢手術の完了証明書の提示」を血統書送付の条件に設定している点です。これは、無責任な自家繁殖や悪質業者への転売を防ぐための動物福祉的な措置です。もし半年以上経過しても連絡がなく血統書が届かない場合は、販売元に対して登録申請の進捗状況を速やかに問い合わせる必要があります。
次に、手元に届いた後の猫の血統書の名義変更手続きについてです。血統書の所有者欄には、初期状態では繁殖者(ブリーダー)の名前が記載されています。これを飼い主自身の個人名に変更すべきかどうかは、飼育目的によって異なります。
完全室内飼いの愛玩ペットとして暮らす場合、名義変更を行わなくても法的な所有権や日々の生活に一切の支障はありません。環境省のマイクロチップ登録が自身の名義になっていれば、法的な飼い主証明としては十分です。ただし、「将来的にキャットショーへ出陳したい」「純血種として正式な交配を行いたい」という場合は、登録団体へ名義変更届と譲渡証明書を提出し、手数料を納付して自身をオーナー(所有者)として再登録する必要があります。
万が一、紛失や破損によって猫の血統書の再発行費用が発生した場合、発行元の登録団体によって異なりますが、概ね2,000円〜5,000円前後の手数料がかかります。ただし、個人が直接再発行を申請できるのは自身が登録オーナーになっている場合に限られ、ブリーダー名義のまま紛失した場合は、当初の繁殖者を経由して再申請を依頼しなければならないケースが多いため、受領後の保管には細心の注意を払ってください。