日本のものづくりが直面する最大の課題は、やはり担い手の不足だ。かつて東京の御徒町や山梨の甲府にひしめき合っていた職人たちの多くが引退の時期を迎えている。技術の継承は一朝一夕にはいかない。一人前になるには最低でも10年の歳月が必要とされる世界だ。
この危機感から、一部の老舗工房や地方自治体は、若手育成のためのインターンシップ制度を刷新し始めている。背中を見て覚える時代は終わり、デジタルアーカイブを活用した技術の可視化と、マンツーマンの指導を組み合わせたハイブリッドな育成法が模索されている。失われつつある「人間国宝級」の技をいかにして次世代に繋ぐか。今、まさに岐路に立たされている。