連載終了から時間が経った今も、海外のコミュニティサイトでは本作の考察スレッドが活発に動いている。日本の地方特有の閉塞感を描いたはずの物語が、なぜ言語や文化の壁を越えて世界中で受け入れられているのか。その背景には、世界的な若年層の「未来への悲観」がある。
アメリカの錆びついた工業地帯(ラストベルト)や、ヨーロッパの斜陽化した地方都市。そこにある若者たちの閉塞感は、本作で描かれた日本の田舎町と驚くほど酷似している。格差が広がり、努力が報われない社会構造の中で、若者たちが感じる「無力感」は共通の言語なのだ。彼らにとって令児は、自分たちの声を代弁する存在なのかもしれない。